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内科

基礎疾患をお持ちの60歳以上の方へ:RSウイルスワクチンの重要性

RSウイルスは2歳までに1度は感染し風邪症状を起こすウイルスです。特に生後6ヶ月未満の児がかかると、細気管支炎や肺炎など重症化することで知られています(1)。
一方、成人でもRSウイルスによってに風邪症状が起こります。時に入院が必要な気管支炎や肺炎となります。気管支炎や肺炎が起こると、8~13%で呼吸不全、2~5%で死亡がみられたという報告もあります(2)。

このような感染症を予防するのにはどうしたらよいでしょうか。一般的な風邪のウイルスと同様に、うがい・手洗い・マスク着用を行うことは有用です。
また、60歳以上の方には、RSウイルスワクチン(アレックスビー®)を接種するという選択肢もあります。アレックスビー®を接種することで、初年度には83%の風邪症状、93%の気管支炎や肺炎を予防できることが期待されます。ただし、翌年度には、ワクチンの効果は持続するものの、効果が56%に低下する可能性があります。また、アレックスビー®の2回目を接種することで追加の予防効果は認められておりません(2)。本記事を作成した時点では、アレックスビー®を接種した3年目以降のデータは得られておりません。
このようにアレックスビー®の効果は限定的であるため、すべての60歳以上の方におすすめするワクチンではありません。しかし、RSウイルス感染症の重症化リスクを有する基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息、慢性心不全や心筋梗塞・狭心症、糖尿病、神経・腎・血液・肝疾患)がある方はアレックスビー®の1回接種を検討することが望まれます(3)。

当院でもRSウイルスワクチン(アレックスビー®)の接種についてご相談が可能です。

1) 厚生労働省. RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂). [cited 22 Mar 2024]. Availablefrom: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
2) Michael GI, Hannah N. Respiratory syncytial virus infection in adults. In: UpToDate, Post TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA. (Accessed on Mar 22, 2024.)
3) CDC. Respiratory Syncytial Virus Infection (RSV). [cited 22 Mar 2024]. Availablefrom: https://www.cdc.gov/rsv/clinical/index.html

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