片頭痛は日常生活に支障をきたす頭痛として、一般の方にもよく知られている病気です。日本では、成人の約8.4%(≒12人に1人)が片頭痛にかかっており、20~40歳代の女性に多いです(1)。頭痛が起こる前に目がちかちかするなど前兆を認めることもありますが、前兆のないものもあります。
片頭痛の治療として、頭痛がおきたときに痛み止めを飲むことはよく行われています。一方、片頭痛の予防治療を行っている患者様は多くないのではないでしょうか。頭痛の診療ガイドライン2021では、片頭痛発作が月に2回以上、あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に3回以上ある患者様には予防治療を検討することが勧められています。
片頭痛の予防治療によって、頭痛がおきる回数が減ったり、痛みが弱くなったり、痛みの持続時間が短くなったりすることが期待できます。その結果、頭痛が日常生活へ与える影響を減らすことができます。
片頭痛の予防治療は頭痛が起きる回数が半分以下になったら効果があるものとみなされます。このため、片頭痛が全く起きなくなるというわけではありませんが、治療している方の中には効果を大きく実感されている方もいらっしゃるようです。
1. 日本神経学会, 日本頭痛学会, 日本神経治療学会.頭痛の診療ガイドライン 2021.東京:医学書院;2021.91-92, 194-196, 202-206.