逆流性食道炎は日本人の10人に1人がかかる病気です。胸やけや酸っぱいものがこみあげる感じがよくある症状です。その他に、胸痛や咳の原因になることもあります。
胃酸を抑える薬を飲むことが治療の基本です。今回の記事では薬の治療とともに、行うことがすすめられる生活習慣の改善を紹介します。
肥満がある方や最近体重が増えた方は、体重を減らすことがおすすめです。減量に伴い内臓脂肪が減り、お腹の圧力が減ることで、胃酸が逆流しづらくなります。
タバコを吸っている方は、禁煙することがおすすめです。タバコを吸うことで胃の入り口がゆるくなり、胃酸が逆流しやすくなります。これに対して、タバコをやめることで胸やけが減っていきます。
寝る前3時間以内の食事を避け、寝る4時間以上前に夕食を終えることもすすめられます。
寝るときの姿勢は、15cmくらい上半身を起こして寝るとよいです。ただし、腰痛などで上半身を起こした姿勢で眠ることが難しい方もいらっしゃるかもしれません。この際は、体の左側を下に寝ることが有効かもしれません(3)。
胸やけを改善する方法として、体重を減らす、禁煙、寝る前3時間以内の食事を避ける、寝る姿勢を工夫するといった方法を紹介しました。胸やけに悩まされている方は胃酸を抑える薬を飲むことに加えて、これらの方法を取り入れてはいかがでしょうか。
当院でも胸やけ・吐き気・腹痛・下痢・便秘などの消化器内科の病気の治療や、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)・腹部エコー(腹部超音波)といった検査を行うことができます。また、喫煙者に対する禁煙外来も行っております。お気軽にご相談ください。
1. 日本消化器病学会.胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021.東京:南江堂;2021.2-3, 24-25, 46-47.
2. Peter JK. Medical management of gastroesophageal reflux disease in adults. In: UpToDate, Post TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA. (Accessed on Jun 25, 2022.)
3. Schuitenmaker JM, et al. Associations between sleep position and nocturnal gastroesophageal reflux: A study using concurrent monitoring of sleep position and esophageal pH and impedance. Am J Gastroenterol. 2022; 117(2): 346-351.