本記事は、大人の気管支喘息(きかんしぜんそく)・COPD(慢性閉塞性肺疾患)を中心に書いております。
咳(せき)、息苦しさ、ヒューヒュー・ゼーゼーといった喘鳴(ぜんめい)を繰り返すことをきっかけに、気管支喘息を疑います。
子どもの時に気管支喘息と診断された方のうち約30%が大人になっても続きます。一方、子どもの時の気管支喘息がよくなっても、30%弱が大人になって再発します。大人になってはじめて気管支喘息と診断される方は、40~60歳代で発症することが多いです。(1)
中高年で喫煙歴がある方は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性も考えます。気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)ともに吸入薬で治療しますが、薬の種類が異なります。
気管支喘息 | COPD (慢性閉塞性肺疾患) | |
病気がはじまる年齢 | 全年齢 | 中高年 |
悪くなる原因 | アレルギー、感染 | 喫煙、大気汚染 |
アレルギー歴、家族歴 | ー ~ + | - |
病気に関わる細胞 | 好酸球 | 好中球 |
病気の出方 | 早朝・夜間に悪化 | 体を動かすと悪化 |
薬の治療の他に、居間や寝室を中心とした掃除、ペットの清潔ケア、禁煙、かぜや花粉症に対するマスク装着やうがい・手洗い、インフルエンザなどに対するワクチン接種があげられます。
当院でも、咳、痰、呼吸苦など呼吸器内科の病気の診察を行っています。お気軽にご相談ください。
- 厚生労働省. 第3章-2 成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育. 75-90. [cited 17 Jul 2022]. Availablefrom: https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07.pdf
- 大久保公裕. イチから知りたいアレルギー診療.東京:全日本病院出版会;2014.60-65.