2025年度より日本でも、60歳以上の方を対象に高用量インフルエンザワクチン(エフルエルダ®筋注)の接種が可能になりました。高用量インフルエンザワクチンは、通常のワクチンと比較して抗原量が4倍含まれており、より高い予防効果が期待されています。
Jasonらの報告(1)によると、高用量ワクチンは通常のワクチンと比較して、インフルエンザ様症状の発症を15.9%、インフルエンザに関連する肺炎による入院を13.4%、心肺疾患による入院を17.9%それぞれ多く予防する効果が認められました。
※通常のワクチンでも、心肺疾患の既往がある方においては心肺疾患による入院を減らす効果が知られており、今回の高用量ワクチンの効果はその上乗せ効果と考えられます。
局所反応(接種部位の腫れや痛みなど)はやや多く見られますが、重篤な副反応の頻度は通常のワクチンと同程度とされています。
本記事の投稿時点では、当院でのエフルエルダ®の接種費用は未定ですが、薬剤費は通常のインフルエンザワクチンよりも高くなる見込みです。最終的な自己負担額は、市町村による助成の有無によって決まると予想されます。
- Jason KHL, Gary KLL, Thomas S, et al. Efficacy and effectiveness of high-dose influenza vaccine in older adults by circulating strain and antigenic match: An updated systematic review and meta-analysis. Vaccine. 2021;39(Suppl 1):A24-A35.