紹介状と聞くと、どんなことを思い出されますでしょうか。
多くの方は、大きな病院に紹介状なしで受診すると、追加の料金(選定療養費)がかかることを思い出されるのではないでしょうか。
医師が考える紹介状のメリットは料金以外の部分が大きいです。
紹介状があると、
・今までにかかったことがある病気、いつも飲んでいる薬
・今回、どのような症状があったのか。症状に対して、今までどのような検査や治療を受けたか
・今回の症状、検査、治療に対して、紹介医(多くは、かかりつけ医)がどのようなことを考えていたのか
・患者様の性格や医療の好み (検査を積極的に受けたい、薬はあまり飲みたくない)
などの情報がわかります。
特に、紹介医が今回の症状に対してどのようなことを考えていたのかがわかると、その考えをもとに、よりよい検査や治療計画を立てることが可能になります。
また、紹介状によって、紹介した側の医師(かかりつけ医)と紹介された側の医師の連携が円滑になります。
例えば、複数の薬を飲んでいる患者様では、薬が1つでも増えると副作用が起こるリスクが高くなります。紹介状のやり取りがされていると、このような副作用の有無を、かかりつけ医でも確認してもらうことが可能です。一方、紹介状なしで受診されると、かかりつけ以外の医師は、リスクのある治療がしづらいと考えます。
病院と違って、診療所(クリニック)に受診するには、紹介状が必要ないと思われることが多いようです。
確かに、診療所では紹介状がなくても診療できることが多いです。しかし、ごくまれに、患者様・私の双方にとって満足できない診療となることがあります。紹介状がないことによって、一部の情報が得られないことや、当院以外の医師との連携が困難になるためです。当院への最初の受診が紹介状なしであることは問題ありません。ただ、必要時、私が他の医師からの情報提供をお願いすることにご理解いただければ幸いです。
次に、当院から他の診療所や病院への紹介状を作成してもらえるかという疑問が浮かばれることと思います。
私も他の診療所に紹介状なしで受診してみてはとお伝えすることがあります。しかし、受診された先の医師が必要と感じるようであれば、後からでも紹介状を発行することを申し添えております。
当院にかかりつけの患者様からの紹介状の発行をお断りすることは、ほとんどありません。ただし、当院よりも関わりの強いと思われる診療所・病院がある場合、そちらで紹介状を発行してもらうようにお願いすることはございます。
当院は近隣の複数の病院や大学病院だけでなく、患者様の希望や状況にあわせて内科(頭部CT・大腸カメラ・転居のため)・小児科(紹介先がかかりつけ)・外科・整形外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・胃腸科(大腸カメラのため)・皮膚科・泌尿器科・心療内科/精神科・歯科を標榜する診療所への紹介実績があります。
私見が含まれる部分も多々ありましたが、紹介状について記載させていただきました。ご一読いただき、ありがとうございました。