近年、インターネット、スマホ、ゲームがやめられず、日常生活に影響が出てしまうネット依存やゲーム障害となる方が増えてきています。尾崎が行った10~29歳を対象としたアンケート調査では、ネット依存(疑) 5.8%、ゲーム障害(疑) 1.4%、両方併存 0.4%と、13人に1人がネット依存やゲーム障害が疑われる結果でした(a)。
ネット依存やゲーム障害を予防する方法として、家庭内でネットやゲームの使用時間に関するルール作り、スマホやWi-Fiルーターに制限をかける、家族間のコミュニケーションを増やすといったことがあげられます(b)。
これら以外にも注目すべき点として、親のネット・スマホ・ゲームの利用時間が子どもに影響することが知られています。山田らの報告によると、6~13歳の子どもの長時間のネット利用は、[1]母親の2時間以上のネット利用、[2] ネット利用に関するルールがない、[3] 父親の2時間以上のネット利用の順に影響されていました。つまり、子どものネット・スマホ・ゲームの利用制限を行うと同時に、親自身の行動も見直す必要があるということになります(c)。
私もスマホの利用時間が長い方であり、この報告によって耳が痛い思いをしました。我が家では8月から毎週木曜日をノーゲーム・ノースマホデーにしました。本記事が掲載される12月までこの試みが続いていることを願い、筆を置きたいと思います。
本記事はネット依存予防の啓発のために作成しております。当院ではネット依存の診療は行っておりませんので、ご注意ください。
a) 尾崎 米厚. わが国のゲーム使用に関する全国調査データの解析. 厚生労働科学研究費補助金(障害者政策総合研究事業)ゲーム障害の診断・治療法の確立に関する研究. 2021: 36-44.
b) MIRA-i(ミライ). ネット・ゲーム依存予防回復支援. [cited 6 Aug 2023]. Availablefrom: https://mira-i.jp/addiction/
c) Yamada M, Sekine M, Tatsuse T. Parental Internet Use and Lifestyle Factors as Correlates of Prolonged Screen Time of Children in Japan: Results From the Super Shokuiku School Project. J Epidemiol. 2018; 28(10): 407-413.