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小児科

思春期の立ちくらみ (起立性調節障害)

小学高学年~中学生に、立ちくらみやめまい、動悸(どうき)や息切れ、朝なかなか起きられず午前中調子が悪いといった症状がみられ、起立性調節障害という診断がつくことがあります。起立性調節障害は軽いものを含めると、小学生の約5%、中学生の約10%に起こります。
朝~午前に調子が悪く、夕方~就寝前に活動的になるため、夜型の生活になりやすいです。家族や学校の先生から、なまけやさぼりと勘違いされてしまうことがあります。起立性調節障害はなまけやさぼりではなく、思春期の体の変化に自律神経がついていけないことによる体の病気です。家庭や学校で様子を見てしまいがちですが、症状が長期化すると強い不安や抑うつ、昼夜逆転や不登校につながります。このため、早めに医療機関を受診することが望まれます。

医療機関で起立性調節障害と診断がついたら、子ども・家族や学校の先生が『起立性調節障害は体の病気である』と理解することが重要です。子ども自身の気の持ちようや夜更かしを直すだけでは治りません。
医療機関で処方された薬を飲む以外に、(1) 朝や入浴後には30秒かけてゆっくりと立ち上がります。(2)早寝早起きを心がけることは大事です。朝起きることが難しければ、カーテンをあけて朝日を部屋に入れます。夜9時以降のテレビ、ゲーム、スマホの使用は控えます。(3) 1.5L以上の水分や1日10-12gの塩分をとります。(4) 15-30分程度の散歩を行います。

いったん診断がついたら早く治したい、治ってほしいと思うことは当然です。症状が軽ければ数ヶ月以内に治ることもあります。しかし、医療機関に相談しようと思われる状況では、1年後に50%、2-3年後に70-80%が回復するといったように時間をかけて治療をする必要があります。また、治ったようにみえても再発を繰り返すことがあります。このため、一人ひとりにあった、かかりつけ医を見つけていただくことが重要です。

※ 当院でも思春期の立ちくらみを相談できますが小児科・内科を中心とした診療を行うクリニックであるため、1回の診療時間は5分程度となります。心理面にも配慮した診療を要する場合、当院への頻回受診や他院 児童精神科との併診を必要とすることがあります。

  1. 日本小児心身医学会.小児心身医学会ガイドライン集 改定第2版.東京:南江堂;2015.25-85.
  2. 岡山県教育委員会. 起立性調節障害ガイドライン[cited 17 Jul 2022]. Availablefrom: https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/604493_5061359_misc.pdf

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