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アレルギー

湿疹のある0歳児の鶏卵アレルギー予防

湿疹のある0歳児は、鶏卵アレルギーになりやすいことが知られています。
2017年、日本の小児病院の医師を中心に、この鶏卵アレルギーを予防する方法が論文にて発表されました(1)。その方法とは、生後6ヶ月までにスキンケアとステロイド外用薬を用いて、湿疹を治します。生後6ヶ月から極少量の鶏卵を1日1回食べ続けます。その結果、1歳時点で、極少量の鶏卵を食べていた児は、92%が加熱全卵1/2個相当を安全に食べられました。

この結果を受けて、日本小児アレルギー学会が小児科医および一般の方に注意喚起をしています(2)。
・湿疹のない0歳児は上記の方法を行っても、鶏卵アレルギーになる可能性を下げることは期待できません。このため、母子手帳などに書かれた離乳症の進め方に従うことが推奨されます。(著者注:鶏卵アレルギーが絶対に起こらないわけではありません。)
・湿疹を放置せず小児科医に受診し、スキンケアとステロイド軟膏により、湿疹がないきれいな肌にすることが大事です。
・湿疹のない状態にした上で、離乳食がうまく進んでいれば小児科医の指導のもとに生後6ヶ月より微量の加熱全卵を食べ始めます。加熱全卵の増量についても、小児科医との相談が必要です。
・微量の加熱全卵でも症状がでることがあります。アレルギー症状が出たときの対応を、あらかじめ小児科医に確認しておきます。
・鶏卵アレルギーになりづらい方法であって、完全に予防できる方法ではありません。
・一般の小児科医が鶏卵摂取の開始・増量に迷ってしまうような状況では、アレルギー専門医への受診が勧められます。

当院でも乳児湿疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの相談が可能です。何歳からでも受診は可能ですが、赤ちゃんに湿疹がみられたら、なるべく早めにご相談いただくことをお勧めします。

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  1. Osamu N, Shigenori K, Junko N, et al. Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet. 2017; 389(10066): 276-286.
  2. 日本小児アレルギー学会.「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」の解説(小児科医向け・一般の方向け)について. [cited 1 Jun 2022]. Availablefrom: https://www.jspaci.jp/news/member/20171012-469/

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